順ちゃんのオーストラリア滞在記その2

☆・・・メルボルン・・・☆

12月24日午後、降り立ったメルボルン空港は寒かった。タクシーの運転手の話ではメルボルンのタクシー運転手の80%はインド人らしい。お喋り好きなこの運転手、果ては今晩家に夕食に来いかなどという。街の中はトラム(路面電車)が走っているので混雑している。ちゃんと前を向いて運転してくれ〜!と思っていたら、案の定ホテルを通り越してしまい夫の指摘で慌ててUターンする始末!・・・先が思いやられる。

 日本から来た君とホテルで合流し、早速市内観光へ繰り出す。ホテルの前から市内を巡回している無料のトラムに乗る。メルボルンは有料のトラムもたくさん走っているので、この街特有の交通ルールがあるらしい。トラムの中から見た街はクリスマス・イブということもあり人も多く華やかな喧騒に包まれている。なるほどインド人がとても多い。

さて、いよいよ「ペンギン・パレード」の話です!

世界最小(体長30cm)のフェアリー・ペンギンに会いた〜い!!

実は、私のオーストラリアでしたいことの第一位がこれだったのです()
とにかくペンギンが好き!直立のよちよち歩行、鳥なのに空を飛べない、でも海の中ではまるで飛ぶように泳ぐその姿、不思議だと思いませんか〜?
できたら南極に行ってみたい。

メルボルンのペンギン・パレードはフィリップ島で見ることができる。

我々はツアーに参加するため、午後時半に市内の旅行社に行く。夕暮れに間に合うのか心配したのだが、夏のメルボルンは時過ぎないと陽が沈まないなるほど〜
バスは高速道路をひたすら走り続け、時間半!
その間にガイドの説明及びビデオで見学時の注意等を頭に入れる。
「大声で喋らない、写真は撮らない、ect.
・・・乗客は寝ている人の方が多かったが・・・。

やがてバスは島に入り、左手がペンギンの巣もあるという草叢、右手が荒涼とした海岸沿いを走る。岩場に砕ける波が荒い。寒そうだな〜。

到着後慌しく夕食、海岸に作られたコンクリートの観覧席の場所取りに行く。
寒い!!あ〜この海の向こうは南極なんだ〜と思うとますます寒い!
インド系の人達は毛布を被っていた。S君は今回も服のセレクトを誤り()、とても寒そうなので百均のナイロンのカッパをあげた。これは風よけにもなるから旅の必需品だ。日本の観光客はどうしてもオーストラリアの天候を甘く見てしまうようだ。
一日の中に四季がある」頭に入れておこう。

時過ぎにやっと陽が落ちて観覧席前の外灯に灯がともる。目を凝らすと波間に小さな鳥の一群が見えた。
「あれかな?」
「違うでしょ?」
観客がざわめく。係員が「静かに!」と合図する。
すると一羽が立ち上がった。あ、ペンギンだ〜!お腹が白いので目立つ。
 ちっちゃ〜い!
次々に立ち上がり一列に並ぶ。
 か、可愛い〜ッ!(今思い出しても笑みがこぼれる)
明るく照らされた砂浜の3か所から次々に上がってくる。

これからが彼らの試練の始まりだ。水際から砂浜を行進して、その先の巣がある草叢までは14〜5mだろうか?(写真参照) 彼らにとっては遠い道のりだ。しかも砂浜にはカモメの一団がたむろしている。先程、観客のスナック菓子を狙って頭上をかすめて飛んできたカモメ達だ。けっこう凶暴な奴らだ。
 ペンギン達はきっと怖いのだろう。一列がおよそ10羽前後、整列したもののなかなか行進を始めない。やがて意を決して先頭のペンギンが歩き出す。後ろのペンギンも慌てて続く。皆遅れまいと必死だ!その姿がかわいい〜!
 出遅れた後ろの〜3羽が離脱して波間に逃げ帰ったりすると隊列は総崩れとなり皆海に戻ってしまう。慌てふためく様が可笑しくもありキュートだ!でも彼らは命がけなんだから笑ってはいけない。みんながんばれ〜!と声援したくなる。

彼らは砂浜から遊歩道をくぐって草叢の巣穴に帰る。あちらこちらで親が子を、子が親を呼ぶ声がする。巣穴を間違えて(たぶん)子供の取り合いをしている親達もいる。硬い翼(?)で叩き合ったり、結構性格はキツイのかな?
想像とは違い鳴き声はあまり可愛くない。

ここでふと疑問がわいた。

 なぜこのペンギン達はわざわざ危険を冒してこの場所から上陸するのだろうか?
もっと暗い場所から、一列じゃなくかたまって移動した方が安全じゃないのか?
 後でわかったのだが、多くのペンギンは暗い砂浜から上がって来ていた。と言うことは、我々が見たペンギン達は他のペンギン達の為に囮になっているのだろうか?
他のペンギンが安全に巣に戻れるよう犠牲的精神でわざわざ明るい所から上陸したのか? あ〜、なんと健気なペンギン達だろう!!
君曰く、「単におバカなのかなぁ〜?」 ガクッ!

またバスで2時間半、市内に戻った時にはもう真夜中、そうだ、今日はクリスマス・イブだった。君が用意してくれたワインで可愛いペンギン達に乾杯〜!!

  A栓にも足型が描いてある可愛いワイン
















 翌25日はX
'masだったので市内のほとんどの店が休み。どのショーウインドウにも翌日からSALEが始まると書いてある。それを横目に私達はレストランを探しに行く。結局中国人街なら開いているだろうと気づき行ってみる。やはり中国人街は半数以上の店が開いていた。'masに西洋圏を旅行する時には気をつけよう。

 ☆・・・Great Ocean Road・・・☆

翌々日、私達はアデレードを目指し750kmの旅に出た。今回のナビはS君に任せて私は後部席で重役気分。車の中はエアコンが効いているが窓からの日差しは厳しい。
街から100kmほど走るとグレート・オーシャン・ロード(GOR)に入る。
断崖絶壁の海岸線、美しい!
しかし30分も走ると同じ景色に飽きてくる。S君はもう居眠りだ。
 GORのハイライトはこのシーサイド・ラインのほぼ中間に点在する「奇岩群」・・・波と南極からの風で長い年月をかけて大地を削ってでき自然の芸術作品。お昼過ぎ、やっと有名な「12人の使徒」に到着する。2005年に崩れ今は8つ残るのみ、この先の「ロンドン・ブリッジ」も橋の一部が落ちて現在この姿に(写真)奇岩群は本当に素晴らしかった!オージーが世界一のハイ・ウェイと自慢するのもわかる気がした。ハエさえいなければ最高なのに、惜しい!

ここで日本人に声をかけられた。偶然にも八女から来たという私と同年輩のご婦人だった。たぶん夫の博多弁()のせいで私達の素性がバレたのでしょう。こんな場所で日本人に会うのも珍しいのに、同じ筑後だなんて!本当にビックリした。

またドライブを続け、その夜はMt.ギャンビアという、州境の街に泊まった。
地元の人達でにぎわうホテルのレストランは田舎町にしてはお洒落でビックリした。
そこでS君に「カンガルーのステーキ」を勧める。
私は無難に牛フィレを注文する(笑)。
それは意外にもお洒落なフレンチだった。チョッと味見をさせてもらう。カンガルーの肉はやや硬めだが臭みはない。ソースが美味しかったのでS君、完食〜!

A12人の使徒」の残り8人?!      C崩れてしまった「ロンドン・ブリッジ」

翌日私達はまた400kmの道を時速110kmでドライブした。今度の道は牧草地と砂漠の間にあるので見るべきところはない。砂漠というか、かつてはたぶん海だったのだろう・・・干上がりかけた水たまり、周辺に白く見えるのは塩かもしれない。この景色にもいい加減飽きてきたところでようやく前方にアデレードの街が見えてきた。 

アデレードでは、実家に帰省中の君が私達3人を待っていた。 つづく・・・