原発と放射能を考えるページ   No.8

原発問題 - K

2012/07/06 (Fri) 16:19:27

スレッドが長くなったので、新たに起こします。

H.N君の書き込みに関して、

『「原爆=原発=悪」と直感的に思っている人』はそんなに多くないと思います。原爆や原発ついて考えていない人が多いのだと思います。

まずH.N君の危険度の認識の話は、比較するものが適切でないと思います。
とんかち・ナイフ・包丁、交通事故はあくまで個人レベルの危険度の問題です。工場、機械で大怪我、企業での事故もごく狭い範囲のものです。原発は今回の様な事故がおきれば、その及ぼす影響の範囲が格段に違うということです。

一方、広域に被害を及ぼすものとして、台風や大雨、地震などの自然災害があります。しかし、自然災害は世界中いたるところで発生し、発生に関して人間の手では基本的にいかんともしがたいものです。自然災害はいく度も経験しているので、我々の努力で復興(治癒)が可能なのです。今回の大震災も原発事故がなかったら、もっと早く復興が進んでいた筈です。

今回福島で起こってしまった事故は地域にすむ人々全員に影響が及び、震災や津波で住居が壊れていないところでも、放射能汚染のため住むこともできない地域ができてしまいました。また、その地域で収穫される食材は放射能汚染による内部被爆の心配があります。海の汚染も尋常ではありません。海がこれだけ広範囲に汚染されたのは、いまだかつてなかったことです。

そして、残念ながら事故起こしてしまったからには、事故の発生原因を検証し、再発しないように対策を講じなければならない筈です。事故の反省に立った再発防止策を真剣に考えないまま、施政者が電力会社や経済界と一緒に遮二無二進もうとしています。危険なことを隠してまで推進しています。

福島第一原発の事故原因を特定するために必要と思われる資料がまだ隠されています。
(下記は特にひどい)
@ 昨年の東北地方太平洋沖地震直後、福島第一原発と東電本社間で行われたテレビ会議の映像を東電はプライバシー保護を理由に公開しない(毎日新聞 629()<福島第1原発>株主が総会で「テレビ会議記録」保全申し立て )
A 最後に爆発したはずの4号機映像は公開しない。(事故調査報告書)
B 原発事故についての各種委員会議事録が事故直後から一年程度とられていない。(これはみなさんご記憶だと思います。)

大飯原発の再稼動する時に大飯原発の安全性は机上の議論だけです。福島第一原発で事故対応の時の本拠地になった免震重要棟という外部から放射能を遮断できる設備を備えた建物からして、数年後に完成予定というだけです。

私がこの時点で「許容できない危険」と考える最大の理由は、何の具体的対策のないままで再起動することは、福島で起きたものと同じレベルの事故が起きる可能性が、非常に高いと考えるからです。反省なしに開示すべき情報を隠す体質が問題なのです。問題をはっきり認識すればドイツ、スイス、イタリアなどのように原発をやめる選択を議論することができる筈です。原発を急いで再起動させようとするやり方がおかしいのです。


とても気になる部分。H.N君が書いている下記の文言、
「九電は、他の電力会社よりエラー(小トラブル)が少ないので、そんな事故は起きないと想定していますが、でも、起きたときは、そんなもんもアリかも。あまりにも酷い想定なので、眠れなくなるほど心配はしないで下さい。」は、

「九電他の電力会社よりトラブルの発生が少ないのでたぶんそんな事故にはならないでしょう。でも(酷い事故が)起きる可能性はあるかもしれないな?事故が起きた時は起きた時で仕方ないからあまり心配しないほうが精神衛生上いいですよ。(事故が起きたらあきらめてね!)」
という意味にとれますが?

そんな恐ろしい可能性を残しつつ、原子炉を次々と再起動していいものでしょうか?

Re: 原発問題 - H.N

2012/07/07 (Sat) 00:55:04

最後の部分にだけReplyして、残りは別スレッドで。

「絶対」はない。

可能性は極めてゼロに近いけど、起きたときは最悪のシナリオではこうなる。普通はもう少し別のシナリオになって、そんな最悪は起きないでしょうというかもしれないけど。

そして、
>
そんな恐ろしい可能性を残しつつ、原子炉を次々と再起動していいものでしょうか?
ということです。
「そんな恐ろしい可能性」はないと思って知らんぷりするの?分かってるけど「しゃーない」と思って諦めるの?それまで分かって受容するの?どこかの偉いさんたちに任せていいの?ちゃんと考えてね。
これは本当に重要なことなので、「国民の総意」で決めるべきでしょ。
と。
こんなところで算数のたとえをして良いのか気になりますが、
被害無限大、大事故の可能性0の掛け算の答えは、3通り。
無限大×0=無限大(絶対にダメ)
     =0(起こる訳無い)
     =定数(許容の範囲内、許容できない)
です。皆さんの答えはどれなんですか。
難しい問題ですが、今しか答えを出すときはないかもしれません、

私の仕事は、「放射能」がどのくらい危険で安全(この言葉が適切とは言い難いですが)な物かを、皆さんに知ってもらえるよう努力すること。
「放射能の危険」を知らないために、どれだけ被災地の人たちが風評被害を受けているか。
「原発」はプロでは無いので、少し遠くからしか答えられませんが、なるべく間違いが少ないようにお知らせできればと思っています。

RE:原発問題 - H.N

K君の前半部分に関連して、

「危険」
(今度の事故は大規模なので、、、)
「一瞬」にして起きたので、そう捉えるかもしれません。また、自然災害でない。
規模だけから言うと、
「車社会」はいいのかというのがいつも上がってきます。
(もうすぐ事故は自動で防ぐ車ができそうですが)
原発と違うところは、加害者(国、電力会社、大企業)と被害者(国民)とに分かれているのか、
車(衝突事故、排ガス、温暖化)のように、加害者であり被害者であるのか。
まだ起きていませんが、
DNA
組み換えで、もし「人類絶滅細菌」ができて、漏れて、蔓延したら。(漏れないようにしていると「安全神話」?)
北朝鮮が、日本に核爆弾を打ち込む可能性
アメリカが、間違ってすべての核兵器をONにする
(日本で止められないから関係ない?ありえない危険?)
原発は危険です。ただ、原発、放射能と言う物に対して、異常に反応してませんか、正しく怖がりましょうと。


原発事故がなかったら、もっと早く復興が進んでいた
について
「原発が震災にあった」だけなら、こんな事故になっていません。「東電のいろんな対策手抜き」「保安院の骨抜き状態」と15条発令以後(総理が本部長、経産省大臣は現地対策本部長)の対応のまずさ(あの最初の10日間を思い出すだけで、腹が立って、泣けてきます。半ば素人ですが、何があろうと冷却をしないとまずかった。政権交代直後で、学会からの提言、進言が暫く届かなかった。)どれか一つでもうまく行っていれば、ここまでの被害を出していません。

原発事故がなければ、
についても、今の放射能汚染の状態でも、
国民がもっと放射能(の害)について理解していれば、今の(風評被害)状態は回避できるはず。
本当に手がつけれない所(手をつけたくない所)は、皆さんが思っているより限定されます。
日本には「技術」はあっても「科学」がないのが問題の一つです。「理科教育」の失敗です。教育者のはしくれとしては、反省しています。
毎年、専攻科の学生には、「放射能の話」をしています。今年は30日にする予定です。(「現代物理学」必修科目です。)

海洋汚染
内陸にこなくて助かったと言う側面もありますが、全世界を被害者にしてしまったと言う側面も。
食物連鎖の関係から、今から3ー5年が、本当に大丈夫か注意が必要です。
これらは常にモニターされています。気になる方は、文科省HPに載っています。もっと分かりやすくしたページもボランティアで作っています。
政府の出すデータが信用されないのと、ボランティアでするのかというのが、悔しい現実です。
文科省の政治家は少し?ですが、現場は「政府」の中では一番信用できると思っています(物理屋の意見に耳を傾け、対応もしっかりしてくれているようだから)

RE: 原発問題 - H.N

2012/07/07 (Sat) 03:48:36

もうひとつ。

福島の人たちの(汚染食材による)内部被爆

私たちが60年代に米ソの核実験の灰を食べていたときより少ないです。

汚染された食材は流通していません。それでも心配な人は、現在出荷停止になっている物が、厚生省?のHPで常に更新されています。
それでも心配な人は、5000円で放射能が測れる「ポケットガイガー」(設計料とかはとらずに石巻の工場で作ってもらっています。)を紹介致します。iPhoneiPadiPodのヘッドフォンの所につないで測るようになっています。Andorid用もできました。
感度は落ちますが、数百万円のプロ用と同じ機能があります。
体温計のように簡単に測れる物はエステーから1万円くらいででています。
(これらでは、規制値ギリギリまでは残念ながら測れません。とんでもない汚染はすぐに分かります)

最初に問題になった「黒毛和牛」は、
毎日数キロで、30年位食べれば、明らかな健康被害がでる可能性がある「放射能レベル」でした。
そんな財力もありませんが、私なら後が無いので3日位なら食べてもいいかなと。
(全部焼却されたはずです。)
子供に食べさせてもいいとは言いませんが、その程度にきちんとしたレベルの規制がなされています。

給食の放射能検査は継続してなされています。
(これも、東大物理科の早野先生のボランティアでなされている所があります。早野先生は、素粒子実験が本職で、数日前発表されたCERNでのHiggs粒子発見の日本チームの代表的人物です。パソコンもチョーオタク?です。)


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